概要(Overview)
JAXA 調布航空宇宙センター 飛行場分室(Chofu Aerospace Center Airfield Branch)は、東京都三鷹市(調布飛行場隣接)に位置する、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の主要施設の一つです。
本分室(東京都調布市深大寺東町)が風洞実験、スーパーコンピュータによる数値シミュレーション、エンジン評価などを担うのに対し、飛行場分室は「実際の空での飛行実証」「実験用航空機の実運用」「飛行シミュレータによる評価」「複合材料(CFRP等)の技術開発」などの現場型・実証型の研究開発を集中して行っています。
調布飛行場の滑走路に直結した格納庫(ハンガー)とエプロン(駐機場)を有しており、次世代の航空機技術(電動航空機、操縦支援システム、騒音低減技術、防災ヘリコプター運航技術など)の高度な実証フライトが日々進められています。
基本データ(Basic Data)
■ 基本データ
| 項目 | 詳細情報 |
| 施設名称 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA) 調布航空宇宙センター 飛行場分室 |
| 英語名称 | JAXA Chofu Aerospace Center Airfield Branch |
| 所在地 | 〒181-0015 東京都三鷹市大沢6-13-1(調布飛行場隣接) |
| 開設時期 | 1961年(昭和36年) |
| 主な研究内容 | 実験用航空機による実証フライト、飛行制御・シミュレーション評価、複合材(新素材)の性能試験・構造評価 |
| 主要設備・機材 | 実験機格納庫(ハンガー)、多目的実証実験機(MuPAL-α)、実験用航空機(飛翔)、各種フライトシミュレータ、複合材試験装置、低速風洞 など |
| 見学・一般公開 | 常時見学施設はありませんが、年1回の「JAXA調布航空宇宙センター 一般公開」時に特別公開されます。 |
■ アクセス方法
- JR中央線「三鷹駅」から
- 南口6番乗り場:小田急バス[鷹52]「榊原記念病院」行 または 「車返団地」行 に乗車 ➔ 「竜源寺」バス停下車(徒歩約7分)
- 京王線「調布駅」から
- 中央口14番乗り場:小田急バス[調40]「調布飛行場」行 に乗車 ➔ 「調布飛行場」バス停下車(徒歩約5分)
- 京王線「飛田給駅」から
- 徒歩またはタクシーで約10〜15分
💡 注意事項
普段は一般来場者用の駐車場はありません。公共交通機関をご利用いただくか、イベント開催時の案内に従ってください。
地図(map)
調布飛行場の滑走路東側に隣接しており、航空機が直接滑走路へ進入できる広大なハンガー施設が特徴です。以下のマップ(航空写真)で、実際の滑走路と格納庫の位置関係を確認できます。
歴史と歩み
調布航空宇宙センター 飛行場分室は、日本の戦後航空技術の復興と先進研究の発展とともに歴史を歩んできました。
1955年:航空技術研究所(NAL)発足
└─ 1961年:「調布飛行場分室」を開設(調布飛行場隣接)
└─ 1963年:航空宇宙技術研究所(NAL)へと改称
└─ 2002年:「調布飛行場支所」に改称
└─ 2003年:JAXA統合に伴い「調布航空宇宙センター 飛行場分室」へ改編
- 航空技術研究所(NAL)の開設と飛行場分室の誕生(1950〜1960年代)1955年に日本の航空技術発展を担う国営研究機関「航空技術研究所」が深大寺地区に発足。その後、実際の航空機を用いた飛行実験や試作機の地上試験拠点として、1961年に調布飛行場に隣接する現在の土地に「調布飛行場分室」が設置されました。
- 飛行実証と国産機の開発支援(1970〜1990年代)YS-11や短距離離着陸(STOL)実験機「飛鳥」などの歴史的国産航空機プロジェクトにおいて、飛行データの取得や新しい自動操縦システムの実証支援など、日本の航空技術の飛躍を裏で支える基盤として機能しました。
- JAXAの発足と複合材研究・高度実験機の導入(2000年代〜現在)2003年10月、宇宙科学研究所(ISAS)、航空宇宙技術研究所(NAL)、宇宙開発事業団(NASDA)の統合により「JAXA」が誕生。飛行場分室は「複合材技術研究センター」を擁する構造・材料研究拠点としても機能拡大が図られ、実験用航空機「MuPAL-α」やジェット実験機「飛翔」を駆使した最新の飛行技術検証を続けています。
主要な研究分野と保有設備
飛行場分室で展開されている代表的な研究開発活動と設備です。
① 実験用航空機(フライング・テストベッド)
- 多目的実証実験機「MuPAL-α(ミューパル・アルファ)」ドルニエ Do 228-202型機を改造した実験機。フライ・バイ・ワイヤ(FBW)システムを搭載し、ソフトウェア制御で任意の航空機の挙動を模倣する「インフライト・シミュレーション」が可能です。
- 実験用ジェット機「飛翔(ひしょう)」ビジネスジェット(セスナ・サイテーション680)を改造した機体。高高度・高速域での環境測定や新しい航法・操縦支援システムの試験評価を行っています。
- 実験用ヘリコプター防災ヘリの支援・安全運航システムや、低騒音・高度操縦システムの技術開発に活用されています。
② 複合材技術研究センター(新素材の研究)
航空機の機体構造を極限まで軽量化し、燃料コストや二酸化炭素排出を削るための「炭素繊維強化プラスチック(CFRP)」など、先進複合材料の試験・評価装置が完備されています。耐衝撃評価や非破壊検査技術の開発が日々行われています。
③ フライトシミュレータ&低速風洞
実機でのフライト前に地上で安全かつ正確にデータを採取するため、フルモーション型の飛行シミュレータや各種の風洞設備(2m×2m低音速風洞など)を備えています。
