概要
中国山東省煙台市の海陽市に位置する「海陽海上発射場(海陽東方航天港)」は、中国で初となる海上打ち上げ用のロケット発射拠点です。黄海に面したこの施設は、太原衛星発射センターの遠隔基地として機能し、主に固体燃料ロケットの打ち上げ拠点として利用されています。
施設内には専用埠頭が整備されており、ロケットやペイロード(人工衛星など)の組み立て・試験を行う施設が併設されています。陸上の発射場とは異なり、海上の移動式プラットフォーム(発射船)を利用して打ち上げを行うため、軌道の選択が柔軟になり、ロケットの切り離し部分の落下エリアを安全な海域に設定しやすいという大きなメリットがあります。近年は、中国の商業宇宙開発の重要拠点として急成長しています。
基本データ
| 項目 | 詳細 |
| 名称 | 海陽海上発射場 / 海陽東方航天港 |
| 英語名 | Haiyang offshore launch location / Haiyang Oriental Spaceport |
| 所在地 | 中国 山東省 煙台市 海陽市(北緯約36度付近) |
| 運用開始 | 2019年6月5日(初の海上打ち上げ) |
| 主な利用機関 | 中国航天科技集団(CASC)、中国火箭公司(China Rocket)、星河動力(Galactic Energy)など |
| 主なロケット | 長征11号、捷龍3号(Smart Dragon 3)など |
| 施設機能 | 海上発射プラットフォーム、固体燃料ロケット最終組立・試験拠点、専用埠頭 |
地図(航空写真)
歴史と詳細
- 2019年6月: 「長征11号」ロケットを用い、中国初となる海上打ち上げが黄海上で成功しました。これを契機に、この地域が宇宙産業の新たな拠点として注目を集めました。
- 2020年〜2022年: 山東省および海陽市は、航空宇宙産業クラスター「海陽東方航天港」の整備を本格化させました。多額の投資が行われ、年間20機の固体燃料ロケットを生産できる最終組立・試験拠点の建設が進められました。
- 2022年12月: 中国火箭公司が開発した商業用固体燃料ロケット「捷龍3号(Smart Dragon 3)」の初飛行に成功しました。以降、コンステレーション構築に向けた複数の衛星打ち上げが定期的に行われています。
- 近年の動向: 打ち上げだけでなく、次世代ロケットの試験拠点としての役割も担っています。2025年には、民間企業による再利用型液体ロケット「智神星1号」の第1段ロケット海上燃焼試験が実施されるなど、中国の宇宙産業サプライチェーンの中核を成す施設として発展を続けています。
関連リンク
施設の詳細や打ち上げの実績については、以下の関連サイト(外部サイト)もご参照ください。