はるか上空400kmを飛ぶ国際宇宙ステーション(ISS)から、自分の手元にあるスマートフォンやパソコンに無線機を通じて直接「宇宙からの画像」が届く体験をしたことがありますか?
2026年10月、世界中のアマチュア無線家で宇宙ファンの人々が楽しみにしているNASAの教育イベント「ARISS SSTV」の第34弾の開催がアナウンスされました。この記事では、今回発表されたイベントの概要から、必要な技術的条件、そしてこの取り組みがもたらす宇宙教育の価値までをわかりやすく解説します。宇宙からの特別なメッセージを、あなたもキャッチしてみませんか?
10月の第2弾!「ARISS SSTV Series 34」開催決定とその背景
2026年10月、ARISS(Amateur Radio on the International Space Station)は、同月2回目となるSSTV(低速度走査テレビジョン)イベント「Series 34」の開催を発表しました。前回のSeries 33(10月2日〜6日開催)に続き、宇宙ファンにとって見逃せない10月となっています。
今回のイベントテーマは「ARISS Hardware(ARISSハードウェア)」です。ISSに搭載されているアマチュア無線機器や、これまでのARISSプログラムを支えてきた様々な機材に焦点を当てた、特別な画像が送信される予定です。
【開催スケジュール】
- 開始: 2026年10月22日(木)(開始時間未定)
- 終了: 2026年10月25日(日)(終了時間未定)
※正確な時間が決定したらこのページにてアップデートしていきます。
ARISSは、学生たちにアマチュア無線を通じてISSのクルーと直接交信する機会を提供し、科学・技術・工学・数学(STEM)への関心を高めることを目的とした国際的なプログラムです。SSTVイベントはその一環として、音声だけでなく「画像」という視覚的なデータを受信する喜びを世界中の人々に提供しています。
まずはISSの通過スケジュールをチェック!
まずは当サイトが提供しているISSの現在地や通過スケジュールを表示する「ISS Tracker」で自分が住んでいるエリアのISSの通過スケジュールをチェックしよう。

ISSからの画像受信!必要な技術的条件と設定
ISSから送信される画像を受信するには、いくつかの技術的な条件をクリアする必要があります。一見難しそうに聞こえますが、要点さえ押さえれば初心者でも挑戦可能です。
【技術的パラメーター】
- 周波数: 437.550 MHz
- SSTVモード: Robot 36
- 送信スケジュール: 36秒間送信 / 2分間オフのサイクル
ドップラー偏移(Doppler Shift)への対応
ISSは地球の低軌道を秒速約7.9kmという猛スピードで飛行しているため、地上で電波を受信する際、近づいてくるときは周波数が高く、遠ざかるときは低くなる「ドップラー効果」が発生します。この周波数のズレ(+/- Doppler Shift)を考慮し、受信機材の周波数を微調整することが、クリアな画像を取得するための重要なテクニックとなります。
見事画像を受信できた参加者は、指定のギャラリーサイト(https://ariss-usa.org/ARISS_SSTV/)に画像を投稿することで、公式のイベント参加認定証(Certificate)を受け取ることができます。この認定証は世界中のSSTVハンターにとって名誉なコレクションとなっています。
宇宙教育の未来とSSTVがもたらす価値
SPACEDOORとして注目したいのは、このSSTVイベントが単なるアマチュア無線の技術イベントにとどまらず、次世代の宇宙教育(STEM教育)における強力なツールとして機能している点です。
現代はインターネットを介してあらゆる宇宙の映像がリアルタイムで見られる時代ですが、SSTVは「自分自身のアンテナと機材で、宇宙から直接飛んできた生の電波を捕まえる」というアナログで泥臭い、しかし圧倒的な実体験を提供します。
アンテナの角度を調整し、ノイズの中から画像が少しずつ浮かび上がってくる瞬間の興奮は、ウェブ上の動画を眺めるのとは次元の違う感動があります。このような「手触りのある通信体験」こそが、子供たちや若い学生たちに電波工学や宇宙工学への知的好奇心を芽生えさせる最適なトリガーとなるのです。
SSTVでなるべく鮮明に画像をキャッチしよう!
SSTVを受信する場合、周囲の環境には注意しましょう。ISSが通過する際に妨げになるような、ビルや木々があったり、道路の近くだと車の走行音などでノイズが入って綺麗に受信できない場合があります。
- 10月22日〜25日にかけ、ISSから画像が送信される「ARISS SSTV Series 34」が開催。テーマは「ARISS Hardware」。
- 周波数は437.550 MHz、モードはRobot 36を使用し、36秒送信・2分休止のサイクルで行われる。ドップラー効果への対応が鍵。
- 受信した画像を専用サイトにアップロードすると、記念となる公式認定証(Certificate)が取得できる。
宇宙ステーションがあなたの街の上空を通過する数分間。それは、人類の英知が詰まった宇宙の拠点と、あなた自身が直接リンクする魔法の時間です。ぜひこの機会に、宇宙からの画像受信にチャレンジしてみてください。
宇宙用語の解説
- SSTV(低速度走査テレビジョン): 普通のテレビ放送よりもとてもゆっくりとした速度で、静止画像(写真)を電波に乗せて送る技術のこと。少ないデータ量で遠くまで送れるので、宇宙からの通信によく使われます。
- ドップラー偏移(ドップラーシフト): 救急車が近づいてくるときはサイレンの音が高く聞こえ、遠ざかるときは低く聞こえる現象の「電波版」。ISSはものすごいスピードで飛んでいるため、地上で受ける電波の周波数も変化してしまいます。
- Robot 36: SSTVで画像を送るための「お約束(フォーマット)」のひとつの名前。カラー画像を約36秒で送ることができるため、ISSからのSSTVイベントで標準的に使われています。
関連リンク
- ARISS公式サイト(イベントの公式な日程やステータス更新の確認): https://www.ariss.org/upcoming-sstv-events.html
- ARISS SSTV ギャラリー(画像投稿・認定証申請用): https://ariss-usa.org/ARISS_
