星座 (Constellation)
星座とは、夜空に見える星々を線で結び、動物や神話の登場人物、道具などの形に見立てたものです。
人々は古くから、夜空に輝く星々の配置に意味を見出し、物語や神話と関連付けてきました。また、星座は季節を知るための目印や、航海の際に方角を知る「天然のコンパス」としても非常に重要な役割を果たしてきました。例えば、北の空に見える「北極星」は、こぐま座の一部であり、常に真北を示します。
冬の「オリオン座」、夏の「さそり座」、春の「しし座」、秋の「ペガスス座」など、季節を代表する星座もあります。
私たちが星座として認識している星々は、地球から見ると同じ平面上にあるように見えますが、実際には宇宙空間において、それぞれの星までの距離は全く異なっています。地球からの見かけ上の配置によって、グループ化されているにすぎません。
現在、私たちが世界共通で使っている星座は、国際天文学連合 (IAU) によって定められた88個です。
【もっと詳しく】
天文学において「星座」という言葉は、単に星を結んだパターン(図形)だけを指すのではありません。現代天文学では、天球(地球から見た空全体)を88個の領域に「区画分け」したもの、その「領域(エリア)」自体を星座と呼んでいます。
1922年、国際天文学連合 (IAU)は、歴史的に使われてきた星座を整理し、黄道(太陽の通り道)付近の星座を含む全天を88個の星座に公式に分割しました。そして1930年までに、天文学者ウジェーヌ・デルポルトによって、赤経・赤緯の線に沿った「星座の境界線」が厳密に定義されました。
これにより、空のどこであっても、すべての恒星、星雲、銀河は、必ず88個の星座のいずれか一つに属することになりました。これは、地球上の住所が「何県何市」と決まっているのと同じように、天体の「住所」を示す役割を果たしています。
私たちが普段「星座」として認識している星の並び、例えば「北斗七星」や「夏の大三角」などは、厳密にはアステリズム(星群)と呼ばれます。アステリズムは、星座の「領域」とは関係なく、目立つ星の並びを指す言葉です。北斗七星は「おおぐま座」という星座の一部を構成するアステリズムであり、夏の大三角は「こと座」「わし座」「はくちょう座」という3つの星座にまたがって存在するアステリズムです。
■ 用語リスト
- 国際天文学連合 (International Astronomical Union – IAU)
- アステリズム / 星群 (Asterism)
- 天球 (Celestial sphere)
- 黄道 (Ecliptic)
- 黄道十二星座 (Zodiac)
- 北極星 (Polaris)
- 北斗七星 (Big Dipper)
- 夏の大三角 (Summer Triangle)
- オリオン座 (Orion)
