アルベド (Albedo) とは、天体や地表などの物体が、受けた光をどれだけ反射するかを示す指標です。ラテン語で「白さ」を意味する言葉が語源であり、0から1の間の数値で表されます。アルベドが1に近いほど反射率が高く、0に近いほど吸収率が高いことを意味します。
例えば、新雪のアルベドは約0.9と非常に高く、受けた太陽光のほとんどを反射します。一方、アスファルトのアルベドは約0.04と非常に低く、太陽光のほとんどを吸収して熱に変換します。
【もっと詳しく】
アルベドは、地球の気候システムにおいて非常に重要な役割を果たしています。地球全体のアルベドは、雲、雪氷、陸地、海洋など、様々な要素のアルベドを平均したものであり、惑星アルベドと呼ばれます。地球の惑星アルベドは約0.3で、これは太陽から受けた光の約30%が宇宙空間に反射されていることを意味します。
アルベドの変化は、地球のエネルギー収支に直接的な影響を与えます。例えば、北極海の海氷が融解すると、アルベドの高い氷の面積が減少し、アルベドの低い海面が露出します。これにより、太陽光の吸収量が増加し、さらなる温暖化を促進するという正のフィードバックが働きます。これを氷-アルベド・フィードバックと呼びます。
アルベドにはいくつかの種類があり、観測する波長や角度によって値が異なります。
- ボンドアルベド (Bond albedo): 天体が受けた全波長の太陽放射のうち、宇宙空間に反射される割合を示します。天体のエネルギー収支を考える上で重要な指標です。
- 幾何アルベド (Geometric albedo): 天体を太陽と同じ方向から観測した場合の明るさを、同じ大きさの完全拡散反射面と比較して表したものです。天体の表面物質の物理的な特性を推定するのに用いられます。
関連用語リスト
- 惑星アルベド (Planetary albedo)
- 正のフィードバック (Positive feedback)
- 氷-アルベド・フィードバック (Ice-albedo feedback)
- ボンドアルベド (Bond albedo)
- 幾何アルベド (Geometric albedo)