ポルックス (Pollux)
ポルックスは、ふたご座を構成する2つの明るい星のうちの一つで、オレンジ色に輝く一等星です。ふたご座の「弟」にあたるカストルと並んで夜空に輝いていますが、実はカストル(約1.6等星)よりもポルックス(約1.1等星)の方が明るく見えます。
地球からの距離は約34光年と、宇宙の規模で見れば比較的近所に位置しています。かつては太陽のような恒星でしたが、現在は寿命の終盤に差し掛かった橙色巨星となっており、太陽の約9倍の大きさに膨れ上がっています。
ギリシャ神話では、ゼウスの息子で不死身の体を持つ弟「ポリュデウケス」として知られ、兄のカストルとともに固い絆で結ばれた兄弟の物語で有名です。
【もっと詳しく】
ポルックスは、天文学的な分類では K0 III型 の橙色巨星に属します。表面温度は約$4,500\text{ K}$(ケルビン)と太陽(約$5,800\text{ K}$)より低いものの、星全体が巨大化しているため、全光度は太陽の約43倍にも達します。
特筆すべきは、2006年にポルックスの周囲を公転する太陽系外惑星「ポルックスb」(固有名:テスティアス)が発見されたことです。この惑星は木星の約2.3倍以上の質量を持つ巨大ガス惑星で、約590日の周期でポルックスを回っています。一等星のような明るい星に惑星が見つかるケースは珍しく、恒星の進化が周囲の惑星系にどのような影響を与えるかを知る上で重要な研究対象となっています。
また、見た目には隣り合っているカストルとは、実際には全く異なる距離にあり(カストルは約51光年)、重力的な繋がりはありません。これを「見かけの二重星」と呼びますが、ポルックス自体の明るさと、冬のダイヤモンドの一部を形成する存在感から、古くから航海や天体観測の重要な指標とされてきました。
関連用語リスト
- ふたご座 (Gemini)
- 一等星 (First-magnitude star)
- 橙色巨星 (Orange giant)
- 太陽系外惑星 (Exoplanet)
- 光年 (Light-year)
- カストル (Castor)
