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小惑星 (Asteroid)
小惑星とは、主に岩石や金属でできている、太陽の周りを公転する小さな天体のことです。
惑星(地球や火星など)になるにはサイズが小さすぎた天体で、その多くは火星と木星の軌道の間に集まっています。この領域は「小惑星帯(アステロイドベルト)」と呼ばれています。
小惑星は、約46億年前に太陽系が誕生したときの「残り物」や「材料の破片」と考えられています。そのため、小惑星を調べることは、太陽系がどのようにしてできたのか、また生命の材料はどこから来たのかを探る上で、非常に重要な手がかりとなります。
形はさまざまで、大きなものは球形に近いですが、ほとんどはジャガイモのようにいびつな形をしています。
日本の探査機「はやぶさ」が訪れた「イトカワ」や、「はやぶさ2」がサンプルを持ち帰った「リュウグウ」も小惑星の仲間です。
【もっと詳しく】
小惑星は、国際天文学連合 (IAU) によって「太陽系小天体 (Small Solar System Bodies)」に分類されます。これは、惑星や準惑星(冥王星など)の定義を満たさない、太陽を公転する天体の総称です。彗星もこれに含まれますが、小惑星は主に岩石質であるのに対し、彗星は氷や塵が主成分である点で区別されます。
小惑星の軌道は多様です。その大半は火星と木星の間の「メインベルト(主小惑星帯)」に存在しますが、木星の軌道上の安定点(ラグランジュ点)に集まる「トロヤ群」や、地球の軌道に接近する「地球近傍小天体 (NEO: Near-Earth Object)」なども存在します。
NEOのうち、地球に衝突する可能性が無視できないものは「潜在的に危険な小惑星 (PHO: Potentially Hazardous Object)」と呼ばれ、衝突による被害を防ぐため、世界中で監視が続けられています(これをプラネタリー・ディフェンスと呼びます)。
小惑星は、その反射スペクトル(光の反射の仕方)によって、組成が推定・分類されています。主要なものに、炭素質(C型)、ケイ酸塩質(S型)、金属質(M型)などがあります。「リュウグウ」はC型に分類され、水や有機物を含むと考えられています。
近年では、小惑星に含まれる希少な金属(レアメタル)などを採掘する「アステロイド・マイニング(小惑星鉱業)」も、将来的な宇宙資源利用の観点から注目されています。
■ 関連キーワード
- 太陽系 (Solar System)
- 小惑星帯 / アステロイドベルト (Asteroid Belt)
- 太陽系小天体 (Small Solar System Bodies)
- 地球近傍小天体 (Near-Earth Object / NEO)
- リュウグウ (Ryugu)
- イトカワ (Itokawa)
- はやぶさ2 (Hayabusa2)
- プラネタリー・ディフェンス (Planetary Defense)
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