(Image Credit : NASA)
アンドロメダ銀河 (Andromeda Galaxy)
アンドロメダ銀河(アンドロメダぎんが)は、私たちが住む「天の川銀河(銀河系)」のすぐお隣にある、巨大な渦巻銀河です。
地球からの距離は約250万光年離れています。これは、天の川銀河の外にある天体としては、肉眼で見ることができる最も遠い天体として知られています(条件の良い暗い夜空では、ぼんやりとした光のシミのように見えます)。
アンドロメダ銀河は、天の川銀河と同じ「渦巻銀河」ですが、その規模は天の川銀河よりも大きく、直径は約22万光年(天の川銀河は約10万光年)、含まれる星の数は約1兆個(天の川銀河は数千億個)と推定されています。
天の川銀河や、もう一つの渦巻銀河である「さんかく座銀河(M33)」など、約60個の銀河とともに「局部銀河群」という銀河の集団を形成しており、アンドロメダ銀河はその中で最も大きなメンバーです。
【もっと詳しく】
アンドロメダ銀河は、その見かけの美しさから天体写真の人気の対象であると同時に、天文学的にも非常に重要な研究対象です。
- カタログ番号: メシエカタログでは「M31」、NGCカタログでは「NGC 224」として登録されています。
- 分類: 銀河の形態分類では「Sb」型に分類される渦巻銀河です。天の川銀河(Sbc型)と似ていますが、中心部の膨らみ(バルジ)がより大きく、渦巻腕(渦状腕)がより密に巻いているとされています。
- 伴銀河: M32やM110といった、複数の小さな銀河を「伴銀河(衛星銀河)」として従えています。これは、天の川銀河が大小マゼラン雲を従えているのと似ています。
- 歴史的意義: かつては、天の川銀河の中にあるガスや塵の集まり(星雲)だと考えられており、「アンドロメダ大星雲」と呼ばれていました。しかし1923年、アメリカの天文学者エドウィン・ハッブルが、この「星雲」の中にある「セファイド変光星」という特殊な星を観測し、その距離を測定しました。その結果、天の川銀河のはるか外側にある独立した「銀河」であることを突き止め、宇宙には天の川銀河以外にも無数の銀河が存在すること(宇宙島)を証明しました。これは、人類の宇宙観を根本から変える大発見となりました。
- 未来の姿(衝突): アンドロメダ銀河は、天の川銀河に対して秒速約110kmという猛スピードで接近しています。最新の研究では、約40億年後には天の川銀河と衝突・合体を始め、最終的には一つの巨大な楕円銀河(またはレンズ状銀河)になると予測されています。この合体後の銀河は「ミルコメダ(Milkomeda)」と呼ばれることもあります。
