ドラゴン・エンデバー (Dragon Endeavor)
ドラゴン・エンデバーとは、アメリカの宇宙企業スペースX(SpaceX)が開発・運用する有人宇宙船「クルードラゴン」の機体のひとつです。
具体的には、クルードラゴンの製造番号C206という機体を指します。この宇宙船は、2020年5月にアメリカの有人宇宙飛行の歴史を塗り替えた「Demo-2ミッション」で初めて使用されました。
名前の「エンデバー」は、かつてNASAのスペースシャトル「エンデバー号」に由来します。また、さらに遡ると、アポロ15号の司令船の名前も「エンデバー」でした。この名前は、Demo-2ミッションに搭乗した宇宙飛行士ボブ・ベンケンとダグ・ハーリーによって、彼らが初飛行で乗ったスペースシャトルへの敬意と、再びアメリカ本土から有人宇宙飛行を行うという「挑戦(Endeavor)」の意味を込めて名付けられました。
【もっと詳しく】
ドラゴン・エンデバー(C206)は、スペースXの再利用可能な宇宙船運用において、象徴的な存在です。
- 歴史的偉業: 2011年のスペースシャトル退役以来、約9年ぶりにアメリカの土壌から、アメリカのロケットで、アメリカの宇宙飛行士を国際宇宙ステーション(ISS)へ送り届けた機体です。
- 再利用の実績: この機体は「使い捨て」ではなく、何度も宇宙へ行き来しています。
- Demo-2 (2020年): 試験飛行としてISSへドッキング。
- Crew-2 (2021年): 星出彰彦宇宙飛行士を含む4名を乗せて飛行。
- Axiom Mission 1 (2022年): 民間主導のミッションとして飛行。
- Crew-6 (2023年): スルタン・アル・ネヤディ飛行士らを含む長期滞在ミッション。
- Crew-8 (2024年): 更なる長期ミッションへ投入。 特に、Crew-8ミッションの帰還により、C206は軌道上での滞在日数が累計で700日を超え、有人宇宙船(カプセル型)としての滞在記録を更新し続けています。
- 技術的特徴: 帰還後のメンテナンスでは、耐熱シールドの交換やパラシュートシステムの点検が行われますが、機体の主要構造やアビオニクス(電子機器)、推進システムなどは再利用されるように設計されており、宇宙開発のコストダウンと持続可能性を体現しています。
関連用語リスト
- スペースX (SpaceX): イーロン・マスク氏が率いるアメリカの宇宙開発企業。
- クルードラゴン (Crew Dragon): スペースXが開発した有人宇宙船の総称。
- 国際宇宙ステーション (International Space Station / ISS): 地球周回軌道にある有人実験施設。
- デモ2ミッション (Demo-2): クルードラゴンの最終有人飛行試験。
- スペースシャトル (Space Shuttle): NASAがかつて運用していた再利用型宇宙往還機。
