コーンランチ・ランチサイトワン(Corn Ranch / Caunch Site One : LS1)
テキサス州ヴァンホーンの広大な砂漠地帯に、宇宙開発の未来を切り拓く重要な拠点が存在します。それが、ブルーオリジン社が所有・運営する「West Texas Suborbital Launch Site」、通称「Corn Ranch(コーンランチ)」または「Launch Site One(LS1)」です。ジェフ・ベゾス氏によって設立されたこの民間宇宙港は、同社のサブオービタル宇宙船「ニューシェパード」の打ち上げと着陸の拠点として、宇宙観光時代の幕開けを象-徴する場所となっています。
概要
テキサス州西部の町、ヴァンホーンから北へ約48kmの地点に位置するこの広大な施設は、ブルーオリジン社の宇宙開発計画における心臓部です。主な目的は、再利用可能なサブオービタルロケット「ニューシェパード」の打ち上げ、宇宙飛行士の訓練、そしてロケットエンジンの試験です。敷地内には、発射台、着陸パッド、機体整備施設、宇宙飛行士訓練センターなどが戦略的に配置されています。
基本データ
項目 | 詳細 |
名称 | West Texas Suborbital Launch Site / Corn Ranch (Launch Site One) |
場所 | アメリカ合衆国 テキサス州 ヴァンホーン |
所有・運営 | ブルーオリジン (Blue Origin) |
主な用途 | サブオービタル宇宙船「ニューシェパード」の打ち上げ・着陸、ロケットエンジン試験 |
座標 | 緯度: 31.422927° N, 経度: 104.757152° W |
設立 | 2004年(ジェフ・ベゾス氏による土地購入) |
初の有翼飛行 | 2006年11月13日 |
初の有人宇宙飛行 | 2021年7月20日 |
Google Map(航空写真)
歴史
この施設の歴史は、Amazon.comの創設者であるジェフ・ベゾス氏が、宇宙開発のビジョンを実現するため、テキサス州に広大な土地(約670平方キロメートル)を購入したことから始まります。当初は静かに開発が進められていましたが、徐々にロケットエンジンの試験施設や打ち上げ関連施設が建設されていきました。
2006年11月13日には、施設の最初の飛行試験機である「ゴダード」の打ち上げに成功。その後、ニューシェパードの開発が進むにつれて、数々の無人飛行試験が繰り返されました。
そして2021年7月20日、ジェフ・ベゾス氏自身も搭乗した初の有人宇宙飛行ミッション「NS-16」が成功。この歴史的な出来事により、Corn Ranchは民間による宇宙旅行の実現を世界に示しました。以降、多くの著名人や民間人を宇宙へと送り届けています。
主な打ち上げ・着陸の歴史(ニューシェパード)
日付 | ミッション名 | 主な内容 |
2015年4月29日 | NS-1 | ニューシェパード初の高高度飛行。ブースターの着陸には失敗。 |
2015年11月23日 | NS-2 | 世界で初めて宇宙空間に到達したロケットの垂直着陸に成功。 |
2021年7月20日 | NS-16 | 初の有人宇宙飛行。ジェフ・ベゾス氏、マーク・ベゾス氏らが搭乗。 |
2021年10月13日 | NS-18 | 俳優のウィリアム・シャトナー氏が搭乗し、宇宙飛行の最高齢記録を更新。 |
(以降、多数の有人・無人ミッションを実施) |