上弦の十三夜月(Waxing Gibbous)
「Waxing Gibbous(ワキシング・ギボス)」とは、月の満ち欠けの段階の一つで、月が上弦の月(半月)から満月に向かって満ちていく途中の状態を指します。
「Waxing」は「(満ちて)大きくなっていく」、「Gibbous」は「凸状の、半月より大きい」といった意味を持つ英語です。日本語では「盈月(えいげつ)」や「満ちゆく凸月(とつげつ)」などと呼ばれます。
地球から見て、月の輝いている部分が半分(上弦の月)を超え、日に日に丸みを帯びて満月に近づいていく、わくわくするような期間の月の姿です。この時期の月は、夕方頃に東の空に昇り、真夜中を過ぎてから西の空に沈んでいきます。
ユーザーが示された「十三夜月(じゅうさんやづき)」は、まさにこの「Waxing Gibbous」の時期にあたる月(月齢13頃の月)を指す、日本で古くから親しまれている呼び名の一つです。満月(十五夜)の次に美しい月とされ、お月見の対象ともなってきました。(※ただし、厳密には「上弦(じょうげん)」は月齢7頃の半月そのものを指すため、「上弦の十三夜月」という表現は一般的ではありませんが、「上弦を過ぎて満ちていく時期の十三夜月」と解釈できます。)
【もっと詳しく】
月の満ち欠け(Moon phase)は、地球の周りを公転する月と、太陽、地球の位置関係によって、地球から見える月の輝く部分(輝面)が変わる現象です。このサイクルは約29.5日(1朔望月)で一巡します。
「Waxing Gibbous」は、このサイクルの中で、太陽と月の黄経差(太陽から見た月の角度)が90度(上弦の月 / First Quarter)を超えてから、180度(満月 / Full Moon)に達するまでの期間を指します。月齢でいうと、およそ月齢7.4から月齢14.8の間にあたります。
月の公転軌道は地球の公転軌道(黄道面)に対して約5度傾いているため、満月の際に必ず月食が起こるわけではなく、通常は太陽の光をほぼ真正面から反射した、完全な円形(あるいはそれに近い形)に見えます。「Waxing Gibbous」の期間は、この満月に向かって輝面が日に日に増大していく様子が観測されます。
この時期、月は太陽よりも遅れて東の空から昇るため、日中(午後)にすでに空に見え始め、夕方には南東から南の空に、そして真夜中には南西から西の空へと移動し、日の出前に沈みます。
天文学的には、月が見える角度(離角)が東に90度から180度の間にある状態を示します。