上弦の三日月 (Waxing Crescent)
「Waxing Crescent(ワクシング・クレセント)」は、月の満ち欠け(月相)のサイクルのうち、新月(New Moon)の直後に現れる、細い弓形の月のことを指します。
日本語の「上弦の三日月」という表現は、月が新月から「上弦(じょうげん)」(弦が上を向いた半月)に向かって満ちていく(Waxing)途中の、「三日月(みかづき)(Crescent)」の状態を的確に表しています。一般的に「三日月」と呼ばれるのが、この月齢(新月からの日数)が3日頃の月です。
🌙 どのような月か?
- 形: 非常に細い弓形、またはアルファベットの「C」を左右反転させたような形(北半球の場合)をしています。
- 見え方: 太陽が沈んだ直後、夕方の西の空の低い位置に見ることができます。
- 明るい部分: 北半球では、月の右側が太陽に照らされて光って見えます。(南半球では左側)
- “Waxing”の意味: “Waxing” は「(徐々に)大きくなる」「満ちていく」という意味の英単語です。新月から満月に向かって、光る部分が毎晩少しずつ太くなっていく様子を示しています。
新月(月が地球と太陽の間にあり、見えない状態)の後、月が地球の周りを公転して太陽から少しずつ離れていくと、太陽の光が当たっている部分の「端」が地球から見えるようになります。これが Waxing Crescent です。日没後すぐに西の空に現れますが、太陽に近い位置にいるため、見えてから数時間のうちに地平線に沈んでしまいます。
【もっと詳しく】
Waxing Crescent(日本語では一般に「三日月」)は、月相(Lunar Phase)の一つであり、天文学的には新月(Conjunction / 合)の段階を終えた月が、太陽との離角(Elongation / 地球から見た太陽と月の間の角度)を東向きに広げている状態を指します。
このフェーズは、月齢(しんげつを0とする日数)でいうと、およそ1日後から6日後あたりまで続きます。特に月齢3日頃の月が「三日月(みかづき)」として親しまれています。
離角が 0度(新月)から90度(上弦の月 / First Quarter)へと向かう途中であるため、月は太陽の後を追うように東へ移動します。そのため、日没時に太陽のすぐ後を追って西の空に見え、太陽から離れるにつれて(月齢が進むにつれて)、日没後も空に留まる時間が長くなっていきます。
この時期の月は、光っている部分が細い一方で、光っていない暗い部分がうっすらと丸く見えることがあります。これは、太陽光が一度地球に反射し、その光が月面を照らす現象で、「地球照(ちきゅうしょう / Earthshine)」と呼ばれます。