下弦の三日月 (Waning Crescent)
Waning Crescent(下弦の三日月)とは、月の満ち欠け(月相)の一つで、下弦の月(Last Quarter Moon)を過ぎてから新月(New Moon)になるまでの、欠けていく途中の細い月のことを指します。
日本では「三日月」というと、一般的に新月の後に初めて見える細い月(Waxing Crescent)を指すことが多いですが、Waning Crescentはその逆で、満月から欠けていくサイクルの最終段階に見える月です。
北半球では、月の左側が細く光って見えます。
この月は、夜半過ぎ(真夜中過ぎ)に東の空から昇り、日の出が近づく明け方の空に高く昇ります。夜が明けても空に残っていることが多いため、日本では古くから「有明の月(ありあけのつき)」と呼ばれ、和歌などにも多く詠まれてきました。
【もっと詳しく】
Waning Crescentは、月が地球の周りを公転し、太陽との位置関係が変わることで生じる月相(Moon Phase)の一つです。
月の満ち欠けのサイクル(朔望:さくぼう)は、新月(太陽と同じ方向)から始まり、上弦(太陽から90度東)、満月(太陽と反対方向)、下弦(太陽から90度西)、そして再び新月へと戻ります。
下弦の月(太陽との黄経差270度)を過ぎると、月はさらに太陽に近づいていきます。Waning Crescentは、この黄経差270度から360度(=0度、新月)までの間の状態です。月は太陽よりも西側(見かけ上は東の空、太陽より先に昇る)に位置するため、太陽が昇る直前の明け方の空に見えるのです。
月が細くなると、太陽光が当たっていない暗い部分が、地球で反射した太陽光に照らされてうっすらと見える「地球照(ちきゅうしょう)」が観測しやすくなるのも特徴です。新月に近づくほど月は細くなり、太陽の光に紛れて観測が難しくなっていきます。