私たちは日常的に「宇宙」という言葉を使いますが、英語でこれを表現しようとすると、「SPACE」と「UNIVERSE」という二つの単語に遭遇することがあります。どちらも「宇宙」と訳されるため混同しがちですが、実はそれぞれ異なるニュアンスと具体的な意味を持っています。
この二つの単語を適切に使い分けることで、より正確に、そしてより豊かな表現が可能になります。
「SPACE」:空間としての宇宙、地球の外側全般
「SPACE」は、地球の大気圏外に広がる、広大な「空間」そのものを指す場合によく使われます。具体的には、惑星間、恒星間、銀河間の空虚な領域、あるいは天体が存在する場所としての広がりを意味します。
具体的な例:
- 宇宙旅行 (Space travel): 地球を離れて他の惑星や星に行く際の移動する「空間」を意識しています。
- 宇宙船 (Spacecraft): 宇宙という「空間」を航行するための乗り物です。
- 国際宇宙ステーション (International Space Station – ISS): 地球の軌道上にある「空間」に浮かぶ施設です。
- 「宇宙服を着用する」 (Wear a spacesuit): 宇宙の「空間」環境に適応するための服です。
- 「宇宙には真空が広がる」 (Space is a vacuum): 物質が存在しない「空間」の状態を指します。
このように、「SPACE」は「空っぽの空間」「場所としての広がり」「地球外の環境」といった、より物理的・具体的な「空間」の概念に焦点を当てています。

「UNIVERSE」:存在する全てを含む、包括的な宇宙
一方、「UNIVERSE」は、存在する全ての物質、エネルギー、時間、空間、そして法則を含む、全ても encompassing な「宇宙」を指します。私たちの太陽系、銀河、そしてまだ観測されていない遠方の銀河や、その中に存在する全ての物理法則までもが含まれる、巨大で全体的な概念です。
具体的な例:
- 宇宙の起源 (Origin of the Universe): 存在する全てのものがどのように始まったのか、という根源的な問いです。
- 宇宙の法則 (Laws of the Universe): 物理学的な全ての法則や原理を含みます。
- 多宇宙論 (Multiverse theory): 私たちの宇宙以外にも多数の宇宙が存在する可能性を論じる際に使われます。ここでの「宇宙」は、それぞれの全体的な存在を指します。
- 「宇宙には無限の可能性がある」 (The Universe holds infinite possibilities): 存在する全ての事象や現象を包括して語る際に使われます。
「UNIVERSE」は、単なる空間の広がりを超え、「存在するものの全体」「全てを含むシステム」といった哲学的、科学的な意味合いが強いと言えます。
シンプルにまとめると:
- 「SPACE」は「どこか」としての宇宙。 (例: 宇宙に行く、宇宙で何かをする)
- 「UNIVERSE」は「全て」としての宇宙。 (例: 宇宙の始まり、宇宙の構造)
この違いを理解することで、英語で宇宙について語る際に、より適切でクリアな表現が可能になります。