ロケット・ラボ 発射施設 1B (Rocket Lab Launch Complex 1B)
Rocket Lab Launch Complex 1, Mahia Peninsula, New Zealand
概要
ロケット・ラボ 発射施設 1 (Rocket Lab Launch Complex 1, LC-1) は、ニュージーランド北島のマヒア半島先端に位置する、米国の航空宇宙企業ロケット・ラボ社が所有・運営する商業用の宇宙港です。
LC-1は、世界初の民間企業による私有の軌道上打上げ射場として歴史的な意義を持っています。同社の主力ロケットである「エレクトロン (Electron)」の打上げに特化して設計されています。
この施設は当初、単一の発射台「Launch Complex 1A (LC-1A)」で運用が開始されましたが、打上げ頻度の向上(週1回以上の打上げを目指す)に対応するため、2019年に第2の発射台の建設が発表されました。
Launch Complex 1B (LC-1B) は、このLC-1Aのすぐ隣に建設された第2の発射台です。LC-1Bの完成により、ロケット・ラボは2つの射点を利用して、一方の射点で打上げ準備を進めながら、もう一方の射点で打上げを実施するという、並行した運用が可能となり、迅速な打上げスケジュールを実現しています。
基本データ
| 項目 | 詳細 |
| 正式名称 | Rocket Lab Launch Complex 1B (LC-1B) |
| 所在地 | ニュージーランド、北島、ホークス・ベイ地方、マヒア半島 |
| 所属機関 | Rocket Lab (ロケット・ラボ) |
| 運用ロケット | Electron (エレクトロン) |
| 座標 | 約 39°15’38″S, 177°51’56″E |
| 特徴 | LC-1Aと並ぶ、LC-1を構成する2番目の発射台。 |
Google Map (航空写真)
LC-1A(地図上で右側)とLC-1B(地図上で左側)の2つの発射台が近接している様子が確認できます。
歴史
ロケット・ラボのLaunch Complex 1は、迅速かつ高頻度の打上げを実現するために選定・建設されました。
- 2017年5月25日 (LC-1A)LC-1の最初の発射台であるLC-1Aから、エレクトロンロケットの試験機「It’s a Test」が打ち上げられました。これがLC-1からの初の打上げとなりました。
- 2018年1月21日 (LC-1A)LC-1Aから打ち上げられた「Still Testing」ミッションが、ロケット・ラボ初の軌道投入成功例となりました。
- 2019年12月ロケット・ラボは、打上げ頻度を劇的に向上させるため、LC-1Aの隣に第2の発射台「LC-1B」の建設を開始したことを発表しました。
- 2022年2月28日 (LC-1B)LC-1Bが完成し、初の打上げミッション「The Owl’s Night Continues」が実施されました。これにより、LC-1は複数の発射台を持つ射場としての本格運用を開始しました。
LC-1Bの追加により、ロケット・ラボは年間120回以上の打上げ能力を持つと公表しており、超小型衛星(CubeSat)などの迅速な市場投入を支援しています。
