Rocket Lab射場1A:ニュージーランドから宇宙への玄関口
ニュージーランドの風光明媚なマヒア半島に位置するRocket Lab射場1A(Rocket Lab Launch Complex 1A)は、現代の宇宙探査時代における極めて重要な施設です。世界初の民間が所有・運営する軌道上打ち上げ射場として、小型衛星の宇宙へのアクセスに革命をもたらし、技術革新と科学的発見の新たな波を可能にしています。航空宇宙企業Rocket Labによって運営されるこの発射台は、小型ペイロードを軌道に投入するために特別に設計された同社の主力ロケット「エレクトロン」の主要なハブとなっています。
マヒア半島の遠隔で人口の少ない立地は、頻繁かつ効率的な打ち上げに理想的な環境を提供します。澄んだ空、少ない航空・海上交通、そして利用可能な幅広い打ち上げ軌道により、成長する小型衛星市場にとって戦略的な資産となっています。第2の発射台(LC-1B)も備えるこの施設は、世界の顧客に信頼性が高く、迅速な打ち上げサービスを提供するというビジョンを体現しています。
基本データ
項目 | データ |
名称 | Rocket Lab Launch Complex 1A |
別称 | マヒア射場、宇宙港 |
所在地 | ニュージーランド、ホークスベイ、マヒア半島 |
座標 | 南緯39.26085度、東経177.86586度 |
運用者 | Rocket Lab |
主要ロケット | エレクトロン |
発射台数 | 2基 (LC-1A および LC-1B) |
初打ち上げ | 2017年5月25日 (“It’s a Test”) |
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地図
歴史
2006年にニュージーランド人のピーター・ベックによって設立されたRocket Labは、急成長する小型衛星産業向けの専用打ち上げサービスの必要性を見出しました。徹底した候補地選定プロセスを経て、地理的な利点からマヒア半島が選ばれ、2015年12月に射場1の建設が開始されました。
施設は2016年9月26日に正式に開設されました。発射台Aからの最初の打ち上げである「It’s a Test」と名付けられたテスト飛行は、2017年5月25日に行われました。ロケットは予定された軌道には到達しませんでしたが、南半球の民間射場からの初の軌道打ち上げの試みとして、重要なマイルストーンとなりました。
Rocket Labは、2018年1月21日の「Still Testing」ミッションで初の軌道投入に成功し、顧客であるPlanet LabsとSpire Globalのために3機の小型衛星を展開しました。この成功により、射場1は世界の打ち上げ市場における主要なプレイヤーとしての地位を確立しました。増加する打ち上げ需要に応えるため、2019年12月には第2の発射台である射場1Bの建設が開始され、2022年2月に運用が開始されました。