羅老宇宙センター 第2発射台 (LC-2)
羅老宇宙センター(ナロうちゅうセンター)の第2発射台(LC-2)は、大韓民国初の国産宇宙発射体「ヌリ号(KSLV-II)」の打ち上げのために建設された、韓国の宇宙開発における最先端施設です。全羅南道高興郡の外羅老島に位置し、韓国航空宇宙研究院(KARI)が運用しています。
概要
第2発射台は、従来の第1発射台(羅老号用)とは異なり、純粋な国内技術で設計・建設されました。韓国の宇宙主権を象徴する施設であり、人工衛星の自立的な打ち上げ能力を確保するための核心的なインフラです。高さ45.6mのアンビリカルタワーが特徴で、発射体に燃料や電力を供給し、打ち上げ前の最終点検を行います。
基本データ
項目 | 詳細 |
名称 | 羅老宇宙センター 第2発射台 (Naro Space Center Launch Complex 2) |
場所 | 大韓民国 全羅南道 高興郡 蓬莱面 下班路 508 |
座標 | 北緯34.431636度、東経127.534411度 |
運用機関 | 韓国航空宇宙研究院 (KARI) |
主たる発射体 | ヌリ号 (KSLV-II) |
発射台の高さ | 約48m |
アンビリカルタワーの高さ | 45.6m |
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歴史
韓国は2010年から、ロシアの技術協力に依存した羅老号(KSLV-I)に代わる、独自の宇宙発射体「ヌリ号」の開発に本格的に着手しました。これに伴い、ヌリ号の規模と仕様に合わせた新しい発射台の必要性が高まり、第2発射台の建設が計画されました。
数年間にわたる設計と建設を経て、第2発射台は2020年10月に完成しました。この発射台は、発射体組立棟から移送されたヌリ号を垂直に立てて最終準備を行うための起立装置や、推進剤を供給するための複雑な配管システム、そして打ち上げ時の強力な炎から設備を保護するための放水システムなどを備えています。
2021年10月21日、初のヌリ号試験打ち上げがこの第2発射台から行われ、韓国の宇宙開発史に新たな1ページを刻みました。
打ち上げ実績
打ち上げ日時 (KST) | 発射体 | 主要搭載体 | 結果 |
2021年10月21日 17:00 | ヌリ号 (試験打ち上げ) | 1.5トンダミー衛星 | 一部成功 (軌道投入には失敗) |
2022年6月21日 16:00 | ヌリ号 (2次機) | 性能検証衛星、ダミー衛星 | 成功 |
2023年5月25日 18:24 | ヌリ号 (3次機) | 次世代小型衛星2号、キューブサット7基 | 成功 |
今後も2027年までに複数回の打ち上げが計画されています。
関連ウェブサイト
- 韓国航空宇宙研究院 (KARI): https://www.kari.re.kr/