ボストチヌイ宇宙基地 1S射点
(ロシア連邦 アムール州 ツィオルコフスキー)
ボストチヌイ宇宙基地の1S射点は、ロシアの極東アムール州に位置する広大な宇宙基地の重要な施設の一つです。ソユーズ2ロケットシリーズの打ち上げに特化して設計されており、ロシアの宇宙開発の自立性を高めるという国家的な目標を担っています。
概要
1S射点は、ロシアがカザフスタンからリースしているバイコヌール宇宙基地への依存を減らす目的で建設された、ボストチヌイ宇宙基地における最初の主要な打ち上げ施設です。主にソユーズ2.1a、ソユーズ2.1bといった近代化されたソユーズロケットの打ち上げに使用されます。この射点の完成により、ロシアは自国領土から様々な軌道へ人工衛星を投入する能力を大幅に向上させました。
基本データ
項目 | 詳細 |
名称 | ボストチヌイ宇宙基地 1S射点 (Vostochny Cosmodrome Site 1S) |
場所 | ロシア連邦 アムール州 ツィオルコフスキー |
座標 | 緯度: 51°52′58″N, 経度: 128°19′58″E |
運用者 | ロスコスモス (Roscosmos) |
主要打上げロケット | ソユーズ2 (Soyuz-2) |
可動式整備塔の高さ | 約52メートル |
発射リングの直径 | 15メートル |
フレームトレンチの総面積 | 27,000平方メートル |
初打ち上げ | 2016年4月28日 |
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歴史
ボストチヌイ宇宙基地全体の建設は2011年に始まり、1S射点もその一環として建設が進められました。数々の技術的な挑戦や、極東の厳しい気候条件下での建設作業を経て、2016年春に射点は完成しました。
記念すべき最初の打ち上げは2016年4月28日に行われ、ソユーズ2.1aロケットが高層大気観測衛星「ミハイール・ロモノソフ」などを無事に軌道へ投入しました。この成功は、ボストチヌイ宇宙基地が本格的に稼働を開始したことを世界に示す重要なマイルストーンとなりました。
以来、1S射点からは、気象衛星「メテオールM」シリーズや、通信衛星コンステレーション「OneWeb」の衛星群、月探査機「ルナ25」など、多様なミッションの打ち上げが継続的に行われています。
関連ウェブサイト
- ロスコスモス公式サイト: https://www.roscosmos.ru/
- RussianSpaceWeb (ボストチヌイ宇宙基地に関する詳細情報): https://www.russianspaceweb.com/vostochny.html