概要
バイコヌール宇宙基地は、カザフスタン共和国の南部に位置する世界初にして最大の宇宙基地です。総面積は6,717平方キロメートルに及び、その広大な敷地内には複数の発射台、組立試験施設、滑走路、そして宇宙開発の歴史を物語る博物館などが点在しています。
1955年にソビエト連邦によって大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射場として建設が始まり、その後、宇宙開発の拠点へと発展しました。1957年の世界初の人工衛星「スプートニク1号」の打ち上げや、1961年のユーリ・ガガーリンによる人類初の有人宇宙飛行など、数々の歴史的な偉業がこの地から成し遂げられました。
ソビエト連邦崩壊後はカザフスタンの所有となりましたが、現在もロシア連邦が年間1億1,500万ドルで租借し、ロシア連邦宇宙局(ロスコスモス)が管理・運用しています。この租借契約は2050年まで延長されており、ロシアの有人宇宙飛行はすべてバイコヌール宇宙基地から行われています。
基本データ
項目 | 内容 |
所在地 | カザフスタン共和国 クズロルダ州 |
座標 | 北緯45度57分54秒 東経63度18分18秒 |
総面積 | 6,717 km² |
運用機関 | ロシア連邦宇宙局(ロスコスモス) |
発射台 | 9つの発射施設に15基 |
主な打ち上げロケット | ソユーズ、プロトン |
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歴史
年 | 主な出来事 |
1955年 | ソビエト連邦が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試験場として建設を開始。 |
1957年 | 世界初の人工衛星「スプートニク1号」をR-7ロケットで打ち上げ成功。 |
1960年 | 大陸間弾道ミサイルの試験打ち上げに失敗し、多数の死傷者を出す「ニェジェーリンの大惨事」が発生。 |
1961年 | ユーリ・ガガーリンを乗せた「ボストーク1号」を打ち上げ、人類初の有人宇宙飛行に成功。 |
1965年 | アレクセイ・レオーノフ飛行士が「ボスホート2号」から人類初の船外活動に成功。 |
1990年 | TBS記者の秋山豊寛氏が日本人として初めて宇宙へ出発。 |
1991年 | ソビエト連邦崩壊に伴い、カザフスタンの所有となる。 |
1994年 | ロシアがカザフスタンとの間で租借契約を締結。 |
2005年 | ロシアとの租借契約を2050年まで延長。 |
2009年 | ロシア宇宙軍が撤退し、ロシア連邦宇宙局の単独管轄となる。 |
2021年 | 前澤友作氏を乗せたソユーズMS-20が打ち上げられる。 |
関連ウェブサイト
- ロスコスモス公式サイト: https://www.roscosmos.ru/
- バイコヌール宇宙基地の歴史博物館: http://museum-baikonur.ru/en/
- Encyclopedia Astronautica, Baikonur (英語): http://www.astronautix.com/b/baikonur.html