アリアン第4射場(ELA-4):欧州の新たな宇宙への玄関口
ギアナ宇宙センター(フランス領ギアナ)に位置するアリアン第4射場(ELA-4)は、欧州の新型基幹ロケット「アリアン6」の打ち上げを担う最新鋭の射場です。欧州宇宙機関(ESA)の宇宙輸送における新たな時代を象徴するこの施設は、革新的な設計と効率的な運用を追求し、世界の宇宙開発競争において欧州の自律的な宇宙へのアクセスを確固たるものにしています。
施設の概要
ELA-4は、アリアン6ロケットの組み立てから打ち上げまでの一連の作業を統合的に行うために設計された広大な施設です。その最大の特徴は、ロケットの水平組立方式の採用にあります。これは、従来の垂直組立方式に比べ、作業の効率化とコスト削減を可能にするものです。主要な施設として、ランチャー組立棟(Bâtiment d’Assemblage Lanceur – BAL)、移動式整備タワー、そして発射台から構成されています。
基本データ
項目 | 詳細 |
名称 | アリアン第4射場 (Ensemble de Lancement Ariane 4 – ELA-4) |
場所 | ギアナ宇宙センター(フランス領ギアナ、クールー) |
座標 | 北緯5度15分45秒、西経52度47分27秒 |
運用目的 | アリアン6ロケットの打ち上げ |
主要施設 | ランチャー組立棟(BAL)、移動式整備タワー、発射台、液体酸素・液体水素貯蔵タンク |
運用開始 | 2021年9月28日(落成式) |
初回打ち上げ | 2024年7月9日 |
運用機関 | 欧州宇宙機関(ESA)、フランス国立宇宙研究センター(CNES)、アリアンスペース社 |
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歴史
ELA-4の建設は、欧州の次世代ロケット開発計画の中核をなすプロジェクトとして進められました。
- 2015年6月: 造成工事が開始され、広大な射場用地の準備が始まりました。
- 2016年夏: 発射台の火炎を逃がすためのフレームトレンチなどの土木工事が本格化しました。
- 2019年: 主要な建物の建設が完了し、施設の骨格が姿を現しました。
- 2021年9月28日: 多くの関係者が出席する中、ELA-4の落成式が執り行われ、公式に運用可能な施設となりました。
- 2024年7月9日: アリアン6ロケットの初号機がELA-4から成功裏に打ち上げられ、欧州の宇宙開発史に新たな1ページを刻みました。この打ち上げは、ELA-4が完全に機能することを証明する重要なマイルストーンとなりました。
関連ウェブサイト
- ギアナ宇宙センター (CNES): https://centrespatialguyanais.cnes.fr/en
- アリアンスペース社: https://www.arianespace.com/
- 欧州宇宙機関 (ESA): https://www.esa.int/
- フランス国立宇宙研究センター (CNES): https://cnes.fr/en
- アリアングループ: https://www.ariane.group/en/