Launch Area 130 (酒泉衛星発射センター)
Launch Area 130 (LA-130、またはSite 130) は、中華人民共和国・内モンゴル自治区のゴビ砂漠に位置する酒泉衛星発射センター (Jiuquan Satellite Launch Center, JSLC) 内にあるロケット発射施設です。
概要
LA-130は、中国の宇宙開発における国家隊(中国航天科技集団 CASCなど)とは一線を画す、商業宇宙企業向けの発射場として整備された近代的な施設です。
主な運用は、中国科学院(CAS)傘下の商業ロケット企業「CAS Space (中科宇航)」によって行われています。同社が開発した固体燃料ロケット「Kinetica 1 (力箭一号, Lijian-1)」の専用発射パッドとして使用されており、主に小型・中型衛星を太陽同期軌道(SSO)へ投入するための商業打ち上げミッションを担っています。
基本データ
項目 | 詳細 |
正式名称 | Launch Area 130 (130工位) |
所在地 | 中国・酒泉衛星発射センター (JSLC) 内 |
座標 | 40.8186° N, 100.2240° E |
運用組織 | CAS Space (中科宇航空間技術有限公司) |
主要ロケット | Kinetica 1 (力箭一号, Lijian-1) |
主な用途 | 商業衛星の打ち上げ(主に太陽同期軌道) |
状態 | 運用中 |
地図 (Google Map)
以下は、Launch Area 130周辺の衛星写真です。
歴史
Launch Area 130は、中国政府が進める商業宇宙開発(ニュー・スペース)の波に乗り、新たに建設された発射施設の一つです。
歴史的な有人宇宙船「神舟」や初期の「長征」ロケットが使用した伝統的な発射場(LA-4など)とは異なり、LA-130は当初から商業打ち上げ、特にCAS Spaceの運用に特化して設計されました。
主なマイルストーン:
- 2022年7月27日: LA-130から「Kinetica 1 (力箭一号)」ロケットの処女飛行 (Y1) が実施されました。この打ち上げは成功し、SATech 01や金紫荊衛星など6基の衛星を予定軌道に投入しました。これはCAS Spaceにとって初の軌道投入成功であり、LA-130が本格的に稼働を開始した瞬間でもあります。
- 2023年以降: Kinetica 1ロケットの専用発射場として継続的に使用されています。2023年から2025年にかけて、複数の商業衛星(地球観測衛星、技術実証衛星など)を搭載した打ち上げミッションが、すべてこのLA-130から行われています。