アルテミス計画は、人類を再び月面に送り、月での持続的な活動の基盤を築き、そして将来の火星有人探査を目指す、米国主導の国際宇宙探査プロジェクトです。アポロ計画以来、約半世紀ぶりとなる有人月探査計画であり、科学探査、技術実証、そして経済圏の拡大など、多くの目的を持っています。
アルテミス計画の主な目的
アルテミス計画は、単に月へ行って帰ってくるだけではありません。将来の深宇宙探査を見据えた、壮大な目標を掲げています。
- 人類の月面への帰還: 1972年のアポロ17号以来となる有人月面着陸を目指します。特に、史上初の女性宇宙飛行士と有色人種の宇宙飛行士を月面に送ることを目標の一つとしています。
- 月での持続可能な活動: 探査を一過性のものにせず、宇宙飛行士が長期間滞在できる拠点を月の南極域に建設することを目指します。これには、月周回軌道上に建設される宇宙ステーション「ゲートウェイ」が重要な役割を果たします。
- 将来の火星探査への足がかり: 月を「実験場」と位置づけ、火星への有人飛行に必要な技術(生命維持システム、資源の現地利用、長期間の宇宙滞在が人体に与える影響の調査など)を開発・実証します。
- 国際協力の推進: NASAが主導しつつも、日本(JAXA)、ヨーロッパ(ESA)、カナダ(CSA)など世界中の国々が参加する国際協力プロジェクトです。日本は、ゲートウェイへの機器提供や、月面で活動する有人与圧ローバ(月面探査車)の開発などで貢献します。
主要なミッションの段階
計画は、段階的にミッションを進めていきます。
- アルテミス1号(2022年 成功): 🚀
- 無人のオリオン宇宙船を新型の超大型ロケットSLS(スペース・ローンチ・システム)で打ち上げ、月を周回して地球に帰還させる飛行試験。ロケットや宇宙船の性能を実証しました。
- アルテミス2号(2026年4月予定): 🧑🚀
- 4人の宇宙飛行士が搭乗し、月の周りを飛行して地球に帰還します。約半世紀ぶりの有人月周回飛行となります。
- アルテミス3号(2027年半ば以降予定): 🌕
- いよいよ人類が月面に着陸するミッションです。宇宙飛行士はゲートウェイを経由し、民間企業が開発する月着陸船で月の南極付近に降り立ちます。このミッションでは、日本人宇宙飛行士が月面に降り立つ可能性があります。
NASA ALTEMIS NEWS
なぜ「アルテミス」?
この計画の名前は、ギリシャ神話に由来します。アポロ計画の「アポロ」は太陽神であり、その双子の妹が月の女神「アルテミス」です。アポロ計画を継承し、さらに発展させていくという意味が込められています。また、計画の目標に「女性初の月面着陸」を掲げていることとも関連しています。